Mixとの出逢い

前回から引き続き、とうとうMixingに出会った少年。

元々はその様な分野がある事すら知りませんでした。

では何が僕にとって引っかかったのでしょうか。これは少し特殊な捉え方だったかと思いますが、こんな楽しみ方もあるんだなという意味も含めて今回は紹介したいと思います。
そろそろ個別の単語の解説も含めていきましょう。まずは…

目次

Mixingとは

まずは名称について

Mixingは簡単に言えば音を混ぜる事。
カタカナで「ミキシング」と記載したり略して「Mix」「ミックス」と言ったりします。
どちらかと言えばこの略している方で浸透しているでしょう。

Mixをする人の事をMixer(ミキサー)と言ったり、Mixing Engineer(ミキシングエンジニア)と言ったりします。これを略してエンジニアと言ったりもします。

この言い方や記載の仕方がいくつもあるのでややこしく思う人もいるかもしれませんので、まずここを整理整頓。

そしてここからが、皆さんが知りたいであろう中身についてです。

どんな事ができるの?

僕がMixに出会う前、当時の僕は曲の良さとは、メロディーの良さ、和音(ハーモニー)の綺麗さ、リズムのかっこよさなど、いわゆる“音楽の三要素“に起因するのだと思っていました。これが何か詳しくは作曲の時にお話しましょう。

とりあえず“音楽の三要素“とはよく音楽を習う時に出てくる話なので、大雑把に簡単に書いておきましょう。

音楽には大事な三要素があります。
メロディーとハーモニーとリズムが音楽を構成する上では大事になります。

・メロディーは音の高さ(音程)の変動により音楽の流れを生み出します。主役です。
・ハーモニーは分かりやすくいうとハモリの事です。例えばメロディー(ある音)に対して別の音程を重ねる事によって厚みを持たせる事が出来ます。(複数個重ねても良い)
・リズムには音程ではなく、ドン!ドン!タッ!の様に、強弱により音楽にアクセント(刺激)を持たせたり、タイミングの繰り返しにより時間を進めていく力(進行感)があります。

ざっくり書くとこんな事があり、常識なんだぜ、と初めの頃大体習うのですが、つまり、だからそれが当たり前に思っていました。ほら、一応音大生だったし。

でもね、それを勉強途中の身とは言え、当時意識して作った曲を録音してみたら、想像していた様にはその場でならなかったんです。

僕はこれを解決するために

「もっと別の和音にしよう。リズムも変えてみよう。もっと壮大にしたいから音の厚みや、この1番聞かせたいメロディーを聞こえやすくするために、埋もれないような空間を作るために楽譜を変えよう。」

こう思ったんです。

今でもよく覚えています。未熟だった事は大きいのですが、ショックだったのです。もちろん今書いた事もする必要はありました。それを元々していたら更に良い状態で録音が出来たでしょう。
しかし僕のその思いは楽譜を書き直すという手段ではなく、別の方法で解消しました。

“Mix”です。

Mix経て僕の曲は聞かせたかったメロディーが浮き立ち、その主役を引き立たせる様にハーモニーが支え、気になっていたリズムが聞こえやすくなり、中でも感動したのが、出来上がった空間の広がりや奥行きでした。

僕は透き通った、遠くの方にある光が溢れてくるような、暗い中で目が慣れてきて星が見えて来る様な、そして周りは少し涼しく風を感じる様な、そんなイメージをどういう風に現そうかと日々試行錯誤をしていました。それを表すには言葉では難しく、音なら出来るのではと。だからそれらしいメロディー、和音を考えていたところに、この体験は衝撃だったのです。Mixでそれを表すことが出来た。これは一例で、もっと色んなことが起こっていたり、説明としてはもっとよくある王道の解説がたくさんあります。
ただ、こんな書き方をしている所をほとんど見たことがないので、あえてここでは実体験を含めた一つの実例を載せてみました。

でも、こんな事がもし出来るなら、ちょっと素敵じゃないですか?

どんな事をするの?

さてさて、夢物語の様な事だけではいけません。どんな事をしていくのでしょうか。

一応、これをしないとMixとは言わない!というまでのお決まりの絶対ルールというものはありません。
が、まず大きくは下記のような事をしています。

・音量バランスを整える
・音色を整える、加工する
・空間の響き具合を調節する
・音像の位置を決める

などがあります。

まずは身近な例に例えていってみましょう。

音量バランスを整えるというのは、例えばテレビの音、うまく聞こえにくかったらリモコンで音量を上げますよね。
あとは映画を見ている途中でコマーシャルが入った時、うるさくて音量下げたりした事、ありませんか?

それ、ミックスしています。

音色を整える、加工するというのは、例えばYouTubeを見ていて同じ曲なのに「このチャンネルは低音がドーンときてカッコイイけどこっちはスカスカしてる感じがするな…」とか思った事ありませんか?

空間の響き具合を調節する。
これはカラオケに行ってエコーをかけると気持ちいいですよね。あのエコー、実は「リバーブ」というエフェクターと「ディレイ」というエフェクターが混ざった物を使っているんです。でもそんな事言われても分かんないですよね。だから誰でもツマミひとつで気持ちよくなれるように準備されているわけです。これはこれだけの記事を書きます。空間演出は皆さんネットでめちゃくちゃ検索してる物のひとつだと思いますので。ミックスは耳で聞いて判断していきますが、ある程度まではセオリー通りにしていくとそれっぽくなりますので、それもその時やってみましょうね。

音像の位置を決める。
これは気付いている人とそうでない人がいるでしょう。「なんの事を言っているんだ」という人はヘッドホンやイヤホンで数曲聞いてみると曲の中でギターが左右どちらかから聞こえてきたり、ボイスドラマなんかを聞く人は右から語りかけられて左の人が返事をする、なんていう音源もあるかもしれません。
そう、皆さんが聞いている音源って位置も考えられていたりするんです。
これもどこかでまとめましょうね。動画を作ってみますので、今ので分からない人も同じ音源を聞いてもらえば分かりやすくなるでしょう。

さて、日常生活であるこの様な体験たちですが、音源の中ではどういう事になっているのでしょうか。
次回は曲の中でのMixを考えてみましょう!

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