さて、前回の記事で”スタンダードなドラムマイクセレクト〜まずは覚えちゃおう編(PA初級)〜”というのを書きました。
ここでは理由はさておき、とりあえずこれ使ってやってみようぜ!って感じで書いたわけですが、そこからもう少し選択肢を増やします。
もう少しとか言いつつ、結構増えちゃうけど…知らないマイクがあったら儲けもんだよ。新たな知識げっと。
それでは見てみましょう〜〜
中級編ドラムマイクセレクト候補
例えばこんな感じのマイクの選択肢があるかなと思います。
名称 | マイク |
---|---|
オーバーヘッド/L(O.H/L) | C451,C414,U87 |
オーバーヘッド/R(O.H/R) | C451,C414,U87 |
フロアタム(F.Tom) | e906,SM57,MD421,ATM25,D112,Beta52 |
ロータム(L.Tom) | e906,SM57,MD421,ATM25,D112,Beta52 |
ハイタム(H.Tom) | e906,SM57,MD421,ATM25,D112,Beta52 |
ハイハット(H.H) | SM57,C451,C414 |
スネア トップ(Sn Top) | SM57,Beta57,MD421,C451 |
スネア ボトム(Sn Btm) | SM57,Beta57 |
バスドラム イン(BD in) | Beta91,e901,MD421,ATM25 |
バスドラム アウト(BD out) | ATM25,D112,Beta52 |
まずここで考えていきたいことは、最初にダイナミックマイクとコンデンサーマイク、どちらを使用するのかどいう大きな分かれ道があります。基本的な特徴はここで復習しておきましょう。
収音範囲
基本的にはダイナミックマイクの方が収音範囲は限定され、コンデンサーマイクの方が広い範囲をカバー出来ます。
単純なイメージ、広い範囲をカバー出来た方が良さそうな気がする人もいるかもしれませんが、前回の記事ではドラムにマイクを10本セレクトしてみました。
こうなると、お互いに録りあっている空間がいくつも発生する(「被り」という)ので、この世には通常ないおかしな状態が生まれてしまいますよね。
単純に同じポイントを録っているだけであれば音量をその分下げてあげれば良いかもしれませんが、「同じポイントを、違うスタート地点から狙って録っている状態」という非常に訳わからん難しい問題が絡んできます。
この問題をよく「位相」という言葉を使用して話したりするんですが、位相の話は非常に難しい話になるので、別途これだけで書くことにするとして、今はとりあえずなんかややこしいことになるんだな、くらいに思っておきましょう。
そのなんかややこしい状況になることを、かんたーーーーーーーんに言うと、
あ、言葉的には「位相が悪い」とか言ったりするんですが、位相が悪くなるとどうなるか。
音がぼやけます。
輪郭がはっきりしなくなる。
あとは、なんかシュワシュワした感じになる(ばかっぽい)。
なんかね、ほわ〜〜ってなるの(いのすけ)。
これを避けるためにたんじろ間違えた、僕は出来れば本当はピンポイントで欲しい音だけ録れたら助かるな〜と思っていたりします。むりなんだけどな。
ですが、高度なことを言うとその被りもうまく使ってサウンドメイクしていくのですが、難しいからこれもとりあえず後回し!
まずはシンプルに攻めていきましょう。
その結果!
…長くなりましたが、ダイナミックマイクをうまく使っていくと非常にやりやすくなるわけ。
録れる範囲がコンデンサーマイクと比べると通常限定的だから。
耐入力
さらにダイナミックマイクを使用するメリットはこれだけではなくて、簡単なことを言うと、ドラムはめちゃくちゃ音が大きい楽器なんです。
どのくらい大きいかというと、これを見てみよ。
こちらはヤマハさんのHPからお借りした図。
これも見てみよ。
こちらはスガナミ楽器さんのHPからお借りした図。
こちらの3段目に今回の主役、ドラムさん。
2つの資料に若干のズレはあるけれどもなんとなく似たようなイメージがつくでしょう?音も一定じゃないからいろんな文献を見ても結構違いがあるけど、なんとなくのイメージを持ってくれれば良いです。
まぁ、なにが言いたいかっていうと、今回のテーマであるドラムさん。
もはやジェット機並。
うええええ!?!?!!?ってなったでしょ。なったらぼくの勝ち。
もうただこれが言いたいだけ、ちょっと笑ってもらいたいがために引用探してきたり、画像軽くするために変換したりめんどくさがんばりました!
例えば130dBくらいともなると、大体肉体的な苦痛を感じる限界、140dBになると聴覚機能に異常をきたす、なんて言われていたりもします。(実際はもっと細かくて、◯◯dBを何分以上であうと〜〜、みたいになっていたりしますがイメージを持って欲しいので雑にしてます)
つまりドラムは限界ギリギリをせめているのだな。だからマイクもけっこうきついの。
そういう時に頑張ってくれるのがダイナミックマイク。こいつらは割と根性あるやつが多いのだ。
コンデンサーマイクにも根性あるやついるけど、なんとなく全体のイメージとしてね!
ダイナミックマイクは割と頑丈だが、コンデンサーの繊細さも欲しい…!
でもこの大音量に耐えられるかな…というのは製品情報でも見れたりします。
マイクのスペック
試しにC451Bの販売サイトを見てみましょう。
写真をクリックするとサウンドハウスというサイトに飛びます。出来たら新しいタブで開いて見ると見比べやすいかも。
さて、下記はこのページからの一部引用ですが、
”C451BはAKGを代表するスティック型マイクロホン。アコースティックギターやハイハット、ドラムのオーバーヘッドなどの集音に最適です。最大音圧レベルは135dBあり、音圧の高いソースも歪なくクリアなサウンドを実現。PADの切替スイッチも装備しています。”
と、あります。
”最大音圧レベルは135dBあり”
と書いてありますね。
ジェット機にギリギリ対抗出来るかもしれない…!!!!!!
なんで今回こんなにおばかなんだろう。
まぁ、いいよね。細かくてつまんないだろう話を楽しく伝えたいんですよ、ぼかぁ。
まぁ、対抗したいのはジェット機じゃなくて本当はドラムなので、そろそろ忘れかけているであろう最初の表にあるC451はスペック上、大丈夫というわけ。
*ただ大きな入力に使用するマイクはダメージを受けるリスクもあったり、ダイアフラムへの刺激が強くなりそのマイクの音色の傾向が変わってくることもあるので、大音量に使用するのであれば専用マイクとしたい所です。例えばスネアに使用するならスネア専用にしておきたいところ。これと繊細なクラシカルな楽器とで併用するのはちょっと気がひけるのです。マイクは入力する音によってだんだんと繊細な変化をしていったりします。マニアックですが、そういうかわいいところがあるのです。良いマイクを育てるんです。
自分で調べる力
まぁ、こんなことを考えていたりするわけですが
じゃあ選んだマイク達はどんな特徴があるの?と気になっているでしょう。
むしろそれがみんなの知りたい所メインでしょう。
ところがどっこい、とりあえず知らないマイクは自分で調べてみてください。
ま、まぁ待て!怒んないで!わかる!わかるから!!まずは聞いて!
とりあえず、マイクの名前(型番)を検索して、メーカーのホームページを見つけてメーカーのセールスポイントを読んでみる。
そして販売サイトを見てみて、価格とか、レビューも一応見てみる。
ただし、このレビューには注意だ。
全然トンチンカンなことがたくさん書かれていたりしますが、調べている時はトンチンカンかどうか分からないからです。
分からないから調べてるんだもんね。
だから一つだけではなく、いくつか見てみる。最低限メーカーの説明を見てから変な情報に当たれば、何かしらかの違和感を持てる耐性が付いているかもしれません。
ちょっとやってみて。
このクセをつけることがとても重要です。これが出来ない人はまず間違いなくこれで食べてはいけません。
逆にこれが出来れば大体のことは出来るでしょう。頑張って。
各マイクの特徴はプラスアルファで少し変わったマイクも追加した上で次回書きます。多分次回。もしかしたら別のを書きたくなってその次とか次かもしれないけど、その時はご愛嬌で。これをここまで読んでいる強者はきっとこのノリが大丈夫だと信じてる。
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