DTMを行う際、DAWの使い方は人それぞれ様々です。
人それぞれ違うのですが、大きくエンジニア・コンポーザー(作曲家)・アレンジャー(編曲家)などで括ってみると使い方というか、求めているもの、優先順位などが違ってくる事があります。
これは絶対ではありませんが、それぞれどんなことを考えてそのツールを使用しているのかのイメージがつくと、自分がやりたいことにより合った使い方が出来るでしょうから、簡単に書いてみようと思います。
例えば、僕はエンジニアなのでレコーディングやMix目線から書いてみると、下記の様な事が気になります。
- 安定性
- 波形編集のしやすさ
- 非破壊編集であること
- スタンダードなプラグインが使用できる
- 互換性
安定性
まずは兎にも角にも安定性です。
実際そこだけで決めるわけではないので、誤解を恐れずに書いてみますが…
最低ラインの話をすると、音がそんなに良くなかったとしても安定性を取らなければいけない時があると言えるくらい安定性を求めています。
誤解がない様に今から書くことはとても大切に読んで欲しいです。
上記は何を大事にしているかというと、演奏を取りこぼさないということに重点を置いているということです。
極端な話をすると、素晴らしい音楽は素晴らしい音質でなくとも感じ取られていたりします。
それを”さらに”良くしたいものだから音質を上げたいのです。
言い換えると、良い音でも、そこに音楽がうまく成り立っていなかったら成立しないと思うわけです。
だから、奇跡の一発が出た時に録り逃さないことに命をかけるわけ。
人によって何を大事にするかは様々、エンジニアの中でも様々。その中で、僕はこれを大事にしています。
ただそんなこと言いつつ、最初に「そこだけで決めるわけではない」と書いた様に、音質はもちろん良くしたいし、色々な工夫をします。
どんな工夫かはまた別の記事にしたいと思います。
(マイクを選んだり、マイクプリアンプを変えたり、EQやコンプを何にするのか、AD/DAコンバーターはどうするか、楽器の置く位置や、電源を安定させたり、電圧を変えたり、静電気を取ってみたり、言葉の立ち上がりの子音をどれだけ際立たせるか、耳に聞こえない様な高かったり低い音をどれくらい入れるのか、などなどまだまだたくさんあるよあるよ)
波形編集のしやすさ
例えば打ち込みをしまくる人は打ち込みやすいツールを求めますよね。あたりまえです。
そんな中で、エンジニアはあまり打ち込みをしません。(通常は)
DAWを使用して編集をしたりするわけですが、とにかく波形を扱い続けているので、この波形編集のしやすさは命に関わります。
ずーっと椅子に座り続けながら編集をしているので、エンジニアには腰痛持ちが多いで有名です。
これを回避するためにスタジオにあるエンジニア用の椅子はあほみたいに高かったりします。
僕のいたところのは1脚50まんえーーん。ぐへへへ
そのくらい腰に優しく考えられているのですが、そんなの休憩増やせば良いじゃん!という必殺技は誰もが耳を塞いでいた様な気がするので採用されない傾向にあります。
さてさて、ぎっくり腰になっちゃうくらい波形編集をしているエンジニアは、
波形が見やすいといいな〜、とか
拡大縮小、トリミングのショートカット 、フェードの細かな調整、テイクの管理
などのやりやすさは気になるところです。
ただ、この中でショートカットとかは「慣れ」の部分がかなり大きいのでそれはあまり特化する必要もなく、合わせていけばなんとかなりますが、”破壊編集”という仕組みで編集をしているのは絶対に避けたいところになります。
破壊編集とは
波形を編集する方式には、破壊編集と非破壊編集という2つのスタイルがあります。
破壊編集というのは、編集した作業が元のファイルに直接書き込まれ、編集をやめた段階でファイルも書き変わっている方式。
非破壊編集というのは、元のファイルが常に残されていて、「何のどこをどう編集したか」というデータが別に作成されそれが保存される、つまり「後からでも元に戻れる」編集方式になります。
後戻りしたいじゃん!人生やり直しボタンほしいじゃん!
そゆこと。
(ショートカットは、Mac:コマンド+「z」、Win:Control+「z」。これがやり直しのショートカットだ、おぼえておけい)
残りのスタンダードなプラグインが使えること、互換性があることというのは、やはり色々な場所で使われていること、代わりが見つけやすいこと、トラブルが起こった時に情報があること、などは仕事を行う上で助けられることだと思います。
まとめ
結構真面目な話しちゃったもんだから途中からゆるゆるするのに苦労しちゃったよ。
でもほんとなんです。ツールを使っている時、何かの作戦を立てている時は「なにを」大事にしているのかを軸にしていけば、良い方向に進めると思います。
みなさんも参考にしてみてください。
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